テオ・ヤンセン展に行ってきた。巨大なビーストが動くデモンストレーションは圧巻(動画あり)。
以前から観たいのにタイミングがあわず空振り続きだった「テオ・ヤンセン展」、念願かなって観に行ってきました。
テオ・ヤンセン
テオ・ヤンセン氏はオランダのアーティストにして物理学者。
アートと科学が融合した作品を多数生み出していて、風力で動作するストランドビースはその集大成とも言える代表作品です。
一度見たら忘れられないストランドビースの造形と動きは日本でも大人気、全国各地で幾度も展示が行われています。
ご本人の公式HP(日本語)はこちら。
主に現代美術の美術館で展示が行われますが、なんと実際に動くデモンストレーションが目の前で見られます。
巨大なアート作品が巧妙な仕組みで動き始める様は、子供はもちろん大人も興奮すること間違いなし。
ストランド・ビースト
サイエンティストでもあるテオ・ヤンセン氏が作り出したストランドビースト。(オランダ語で砂浜を意味する“Strand”と生命体を意味する“Beest”の2語をつなげた造語)
氏はこれを人が創った新しい生命体として紹介しています。
長い年月をかけてビーストは進化していて、その過程で形を変え、生命機能を増やしています。
テオ・ヤンセン展ではそのビーストの基本的な仕組みや長い進化の過程を知ることができます。
実際に行ってきた
今回は熊本市現代美術館(CAMK)で開催されたテオ・ヤンセン展を見に行ってきました。
場所はこちら。
路面電車の駅「通町筋」からすぐの繁華街、日航ホテルとデパートの入ったビルの3階にあります。
展示
入り口では早速、ビーストがお出迎え。
実物を見るとその大きさにびっくり。
これが風力だけで動くとは俄かに信じがたいです。
ホーリー・ナンバー
ビーストがどうやって「歩行」するのか。その基本的な気候が模型で展示されていました。
実際に手で回して動きを体感できます。
13という数字がまた意味深ですね。
オムニア
ビーストには進化の過程でそれぞれシリーズ名がついていて、今回の展示でもっとも進化している最新ビーストがこれ「オムニア」です。
ビーストは進化の過程で様々な機能を獲得しているので、オムニアはたくさんの機能を備えています。
12メートルの巨体が実際にデモンストレーションで動きます。
アニマリス・プラウデンス・ヴェーラ
もう一つ、実際にデモンストレーションで動くビーストがこれ「アニマリス・プラウデンス・ヴェーラ」。
2014年の長崎県美術館で行われた展示会向けに作成されたもので、長崎らしく帆船がモチーフとのこと。
デモンストレーション前は帆を畳んだ状態ですが、
デモンストレーションではこの通り帆を広げて前進します。
最前列で見ていると、思わず後ずさる迫力があります。
他にも盛り沢山
展示は他にも沢山あります。
こちらは頭?尻尾?を動かすデモンストレーションを見せてくれました。
まるで「会話しているよう」な不思議な動きが見る人を魅了します。
展示にはこんな懐かしのコンピュータも。ヤンセン氏が使用したものとか。
シーロー・グリーンの歌詞にも登場したATARI(アタリ)のパソコンですね。
会場出口ではこんな海の中を想像させるビーストも。
他にも実際に手で動かせるビーストも展示してあったり(人気なので順番待ち必須です)、見て触って楽しめる内容でした。
デモンストレーション(動画)
ほぼどの展覧会でも巨大なビーストが実際に動くところが見れます。
これが最大の見どころなので「デモンストレーションを見ずしてテオ・ヤンセン展を語るなかれ」と言えます。
1日に数回、異なるビーストのデモンストレーションが行われます(それぞれ開催スケジュールによります、事前にご確認を)
大抵は一回のチケット購入で再入場が可能なので(これも事前に確認を)、待ち時間が長いときは一旦、美術館から出てカフェでお茶したり買い物してから戻ってくる、ということもできます。
今回は、3体のビーストのデモンストレーションがあり、2回に分けて行われました。(なので待ち時間は一度外に出て用事を済ませて戻りました)
ビデオ撮影が許可されているので録画しました。こちらです。
ビデオに撮ったのは2体だけです。(3体目のデモはビーストを観客が囲んで見る形式だったので撮りませんでした。他人がバッチリ映ってしまうので)
「ビーストはSNSで増殖する」
テオ・ヤンセン展そのものが、ビーストのライフサイクルの一部となっています。
ヤンセン氏の言葉によれば、「ビーストは自ら増殖できない、人の手を借りて増殖する。そのため、ビーストは人の興味をそそり関心を得ることで増えていく。」とのこと。
ビーストに興味を持った人が展覧会に足を運び、目にしたものをSNSで拡散する。そしてさらに多くの興味を得る。結果、新たなビーストが造られて進化し増殖していく。
つまり、展覧会に足を運び、ブログにその記事を書いている私は、巧妙かつ壮大なビーストのライフサイクルに取り込まれた、とも言えますね。嬉しいことに。
これからビーストがどう進化していくのか、とても興味深いですね。
おしまい